遺言執行人のしごとって??

故人となった時、自分自身の意志を遺された人に伝えることは実質不可能です。
オカルト的な力を借りれば何とかなるかもしれませんが、例え本当にオカルト的な力があったとしても法律は認めてくれないでしょう。
そこで遺言書という形で、遺された人に対して最期の言葉を伝えます。
だからこそ遺言書はどんな法律よりも優先されることで、必ず従わなければいけません。
無理に従う必要はありませんが、何もかも反抗するとなると浮かばれるものも浮かばれません。
そこで登場するのが、「遺言執行者」です。

遺言執行者とは読んで字の如く、遺言を実行する人のことを指します。
執行者は条件が合えば相続人の誰かが行っても良いとされており、遺言書にも直接指名されている場合もあります
しかし相続人が遺言執行者となると、不平不満が出てくるのは一目瞭然です。
しかも執行人に指定された本人も、どうすれば良いのか分からず戸惑うこともあるでしょう。
執行人の仕事は想像以上にハードなもので、他に仕事を抱えている状態で動くのは難しいことです。
その為に選任された人は、必ず承諾しなければならないという強制はありません。
ただし一度承諾したのならば、直ちに取り組まなければならないとされています。

では遺言執行者を承諾すれば、どのような仕事が待ち受けているのでしょうか。
まずは相続人に対して、遺言執行者になった旨を報告します。
これは必ず行わなければならないという訳ではありませんが、知らせが無ければ後で大きなトラブルになってしまう恐れがあります。
親族間のトラブルは想像以上に深刻な物で、一度発生すると解決するのに膨大な時間と労力が必要です。
トラブルを避けるためにも、遺言執行者になったことは必ず知らせるようにして下さい。

次に財産目録を作成して、相続人に交付します。
相続人で財産を分けるとなると、財産が幾らあるのかを把握する必要があります。
また相続税の計算をする時も、財産目録は欠かせません。
そして財産目録が完成すれば、いよいよ遺言書の執行に取り掛かります。
例えば遺言書に「不動産を子供に譲る」と記されていれば、執行者は不動産が子供に行き渡るように様々な手続きを行います。
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ただし執行者ではなく相続人が遺言書の内容を無視して財産を処分した場合、その行為は無効となります。
例え遺言執行者として指名された人が承諾する前でも、相続人に勝手な行動は許されていません。
何度も述べますが、遺言書に書かれている内容は絶対なのです。
ただ遺言書の内容は絶対と言っても、わざわざ遺言執行者を決める必要はありません。
相続人同士の仲も良く、遺言書にも具体的な財産分与が書かれているのならば、変な争いも出てこないでしょう。

しかし今は家族の形も変わり、相続人同士の仲も複雑化してきているのは事実です。
例えば生前に被相続人に対して酷い暴力を振るっていたのならば、その人物に対して相続人の排除を行うことが出来ます。
また遺言書で本妻以外の子供がおり、認知をすると書かれていることも考えられます。
ドラマみたいな話が頻繁に出て来るという訳ではありませんが、全くゼロという訳ではありません。

もし被相続人に対して酷い暴力を振るっている人がおり、被相続人が相続をさせたくないと希望しているのならば、遺言執行者の存在は必要不可欠です。
もちろん別に子供がおり認知を行う際にも、遺言執行者の存在は欠かせません。
もし執行者になっていない人物が相続排除や認知等の手続きを行えば、後でとんでもない事態を引き起こしてしまう恐れがあるからです。
だからこそ遺言執行者には、遺言で指定された人物か家庭裁判所が選任した人物にお願いをするのが望ましいです。
大きな責任も伴うので、遺言執行者選びには慎重になる必要があります。

では遺言執行人にそぐわない人がなった場合、変更することは出来るのでしょうか。
きっちりとした理由があれば、変更は可能です。
家庭裁判所へ赴き申立てを行い、裁判所が「遺言執行人に相応しくない」と判断すれば辞任という形になります。
でも遺言執行者の中には、事情があって仕事に専念することが出来ないという方もいらっしゃるでしょう。
また無理矢理押し付けられたというのであれば、たまったものではありません。
その時も家庭裁判所へ赴き、辞任の手続きを行うことは可能です。

遺言執行者の仕事は想像よりもハードなもので、遂行するには時間もかかります。
遺言書で指名されているのならば従うのが原則ですが、もちろん断ってもらっても構いません。
でも相続手続きを行う際には、遺言執行者の存在は必要不可欠です。

もし何か困ったことがあれば、一度専門家の元へ訪れて相談してみては如何でしょうか。
場合によっては専門家に、執行者を頼むことも可能です。
専門家が行うことにより安心感もあるので、他の相続人も納得するでしょう。
相続ほど難しい問題は無いので、1人で何とかなる物ではないのです。