遺言執行者の義務

遺言書が遺されているのならば、財産分与は楽になるのではと思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし例え遺言書があったとしても、やるべきことは沢山あります。
中には法律的な知識が必要になるケースや、相続人同士が争ってしまうことも珍しくありません。
そこで出番となるのが、遺言執行者です。

遺言執行者に選ばれた人は、遺言書に書かれている内容を実行する義務があります。
まずは目録作成の義務です。
必ず作成しなければならないという訳ではありませんが、相続人から請求があれば財産目録を作成しなければいけません。
ただ出来るなら徹底的に調べた上で目録にまとめて頂きたいのですが、出来る範囲内で十分です。
また相続人に対して執行状況を報告するのも、重要な義務です。
もちろん遺言執行が完了した時も、直ぐ様報告する必要があります。

そして忘れてはならないのが、引渡義務です。
遺言執行を行うにあたり金銭や権利を受け取ったのならば、相続人に渡す必要があります。
更に相続人に渡すべき金銭を自分自身の為に使った時は、消費した分を支払わなければいけません。
もちろん損害を出したのならば、その責任を負う義務も発生します。
しかし自分の為でなく遺言執行の為に使われた費用に関しては、償還請求を行う権利があります。
また被相続人が遺言にて「遺言執行者に報酬を与える」と書いていれば、その報酬を請求することも可能です。
しかし実際に請求されたという事例は少なく、財産から支出されることが多いようです。

遺言執行者には他にも不動産名義変更・金銭で交付する際には遺産の売却・遺言による認知の届出・未成年後継人や監査人の指定等、やるべきことは山ほどあります。
しかも専門的な知識が無ければ難しいものもあるので、考えるだけでも頭が痛くなりそうです。
更には相続人同士のトラブルにも対処しなければならないので、どうしようもありません。
少々お金はかかりますが、遺言執行で困ったことがあれば専門家に相談する様にして下さい。