遺言執行者の解任について

相続の手続きは遺言の内容に従うのが大鉄則ですが、内容次第によっては納得出来ない場合もあります。
特に相続人が遺言書の内容を実行する遺言執行者に指名されていた場合、他の相続人と揉めてしまう恐れがあります。
例え遺言書で執行者に指名されていたとしても、遺言執行者が原因でトラブルになればどうしようもありません。
その時は裁判所で執行者の解任手続きが行えます。

執行者の解任事由として挙げられるのが、「任務怠慢」と「正当事由」です。
任務怠慢は読んで字の如く、執行者本来の仕事をせずに遺言書の内容に従わなかった場合です。
例えば相続人から請求されているにも関わらず、財産目録の交付を怠る・財産管理を怠るのも解任理由としては十分です。
「正当事由」は執行者としての能力が疑われる事を指します。
ただし相続人同士が争った時、執行者が間に入っても収まらないだけでは解任事由には当たりません。
でも1人の相続人により多くの相続財産を行き渡らせようと図った時は、解任事由として十分通じます。

ではどのようにして、執行者を解任させれば良いのでしょうか。
「解任事由」がある執行者がいれば、家庭裁判所において遺言執行者の解任を請求します。
請求を受けた家庭裁判所は執行者について調査し、本人にも話を聞いた上で解任するかどうかの判断を行います。
ただもし解任が認められたとしても、遺言執行者は即時抗告(不服の申立て)を行うことが出来ます。
もちろん判断に納得したのならば、執行者は執行者としての地位を失うのは言うまでもありません。
家庭裁判所で解任するかどうかを決めている間は、遺言執行者には権利と義務は継続されます。
しかし解任申立が相続人から出ている時は「執行停止」という形が取られ、代理の者が遺言執行者の仕事を請け負うことになるでしょう。

執行者は大変責任のある立場で、相続人の信頼があって初めて行動に移せます。
どの仕事でも同じことが言えますが、一度請け負った仕事は責任をもって取り組むようにしてほしいものです。